2010年度学会回顧と展望~理論・思想部門

 『社会福祉学』日本社会福祉学会は一年に一回、こうした回顧と展望をしっかりと載せてくれるので、いまの社会福祉の学問上の動向を知る上で非常に役立ってくれている。

 思想部門の切り出しは、社会福祉学が危機に瀕していると題して、いまこそ旧来の思想をより深く吟味するべき時が来ているのではないかとの問いは、私の心情にもぴったりである。効率や合理性、市場主義、効果的なサービス提供と課題の解決が優先され、なぜ福祉なのか?そこで生きる人たちの生活とは何か。その生活にどう福祉が関わり、ゴールを目指すのか。そして援助者はどうすればいいのか。青臭いかもしれないけれど、そうした問いがいまこそ必要ではないだろうか。文中にも出てくるけれど、面白いことを目指すこと、緩やかなつながりであること、開放的であること。肩の力を抜いて、背伸びしない等身大の率直な思想が求められているのかもしれないと思う。

 詳しくは本文を参考にしてもらい、ここではこの一年で理論・思想で取り上げられた文献、かつCiNiiで閲覧できるものをリストアップしておきたいと思う。興味のある人は、それらを紐解いて自分なりに吟味してほしいと思う。とりあえず、社会福祉学の最高峰での一年の総括なので、間違ったものは混在していないはずである。

PDFあり(無料)

秋山 智久「人間の苦悩と人生の意味 -社会福祉哲学の根本問題-」

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008092092/

浅川 達人「生きる意味を回復するために : 対人援助を社会学的に読み解く」

http://ci.nii.ac.jp/naid/120002911313/

PDFあり(学会員以外有料)

中村 剛「福祉思想としての新たな公的責任 : 「自己責任論」を超克する福祉思想の形成」

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008007032/

隅田 好美『「病いとともにその人らしく生きる」ための病いの意味づけ : 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者への質的調査を通して』

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007682370/

田中 耕一郎「 <重度知的障害者>の承認をめぐって : Vulnerabilityによる承認は可能か」

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007701124/

PDFなし

清水 まり子「人格的生存権の実現をめざして--鈴木義男と憲法第25条第1項の成立」

http://ci.nii.ac.jp/naid/40018844236/

荻野 剛史「わが国における共生概念の変遷過程」

http://ci.nii.ac.jp/naid/40018827136/

永岡 正己「吉田久一社会福祉史学の原点に学ぶ」

http://ci.nii.ac.jp/naid/40018844235/

阿部 志郎「基調講演 嶋田啓一郎の人と思想--生誕100年を記念して ([同志社大学社会福祉学会]第24回年次大会報告)」同志社社会福祉学

http://ci.nii.ac.jp/naid/40018763938/

右田 紀久恵「インタビュー 先輩からの助言(第9回)右田紀久恵先生」

http://ci.nii.ac.jp/naid/40018844240/

名前検索をすれば、いくつかはPDFで読むことが出来ると思う。例えば、以下の学者は個人的にオススメ

中村剛

http://ci.nii.ac.jp/nrid/9000006198071

PDFがなかった学者でも、永岡とか右田は超有名な学者。昔の論文のいくつかはPDFになっている。たとえば

永岡 正己「社会福祉の戦後四〇年を考える : 戦争責任・戦後責任の問題を中心に」

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008093128/

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kuma

Author:kuma
救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

自分のサイトもあります。
kumaの学習ノート

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク