学童期における「保育」の必要性+1

村井尚子(2007)「学童期における「保育」の必要性」『大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要』6,95-108

http://ci.nii.ac.jp/naid/110006238928

PDFあり

 就学前の子供に対する保育は充実しているが、学童期における遊び場~保育の環境は無いに等しいことを念頭に、学童期におけるいくつかの事業~放課後子供教室、放課後児童健全育成事業や学童保育を取り上げ、その現状と課題について、事例を基に書かれている。

 もともとは鍵っ子とかが1960年代から1970年代にクローズアップされて、小学校低学年児童の居場所作りからスタートしたが、今でもあると思われるのが、学童期における保育の必要性への認識の薄さ、三歳児神話に代表される女性への社会進出へのある種の忌避感とも相まって、その本質への問いが看過されてきたと言える(実際に就学前児童の保育事業が3千億円であり、学童期の保育の事業費は百億円である)。

 学童保育は、昼間留守家庭など放課後の保育に欠ける児童を対象として児童福祉的な色彩を帯びて展開してきたもの。これに対して、文科省によって管轄され、学校内で社会教育的な色彩を持って全ての児童を対象として展開されてきた事業を全児童対策事業として本論は展開されている。後半に、児童における保育の必要性として、小学生が入学するに従って共稼ぎの家庭が増えていることやコミュニティの崩壊に伴って遊びによる社会性の獲得が困難な状況であること、集団で遊びことから子供同士のつながりや親からの自立が図られていくこと。そうした場所を作るには、子供だけの力では不充分であり、大人の協力が欠かせないことなどを提言している。

 こうした制度から学童保育などは全く解らないことであったため、非常に勉強になった。

 似たような論文として、

高橋ひとみ(2006)「学童保育と「子どもの遊び」に関する一考察」『桃山学院大学人間科学』31, 21-40

http://ci.nii.ac.jp/naid/110004699922

PDFあり

 こちらは学童保育での遊びに関する基礎的資料を収集するために、3市、17箇所で、学童保育を行っている保護者を対象に質問紙調査を行っている。それをカイニ検定と平均の検定を行っている。その中で子供を学童保育に預けるのは、低学年が多く(高学年になると辞めることも多い)、また健康であることを一番に思っている(女性が働くことの前提になっている)こと。また学童保育を利用して良かった点は、安心して働ける、人間関係やルールを守れるようになった、親も子もクラス外や異年齢の友達が出来たなどである。


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