介護保険サービス事業の市場性

宣 賢奎(2009)「介護保険サービス事業の市場性」『共栄大学研究論集』7,65-78

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007058341/

PDF論文あり

 本研究は、介護保険サービス市場の市場環境の変化を踏まえつつ、介護保険対象の訪問介護、通所介護、グループホーム、有料老人ホーム事業の市場性を検討し たものである。検討の結果、訪問介護事業の市場性が低い反面、その他の介護事業の市場性が高いことが明らかになった。なかでも、有料老人ホーム事業の市場 拡大の可能性が最も高い。しかし、市場性が高い事業といえども、介護保険制度に全面的に依存する経営では経営の安定性を図りにくい。したがって、介護報酬 に左右される介護保険サービス事業だけに固執するのではなく、いち早く介護保険依存経営からの脱却を図ることが望ましい。

 と要約にあるとおり。とはいえ、中にある介護部門は将来性の高い産業であること。日本の資産の80%を持っていると言われる高齢者へのサービスは今後より需要が高まること。またとかく社会福祉や社会保障は経済の足を引っ張るとされるがむしろ逆であり、雇用の創出、消費活動、内需拡大に非常に有効であることを論証している。

 介護保険事業だけではなく、広く高齢者の豊かな生活のために必要な高齢者支援事業があり、通常、介護保険の法定給付対象外のサービスは横出しサービスと言われる。これが今後はより拡大していくだろう。むしろ、介護保険の法定内サービスよりも…ということである。

 要約に挙がっている通所介護、有料老人ホーム等々の将来予測もそれほど的をはずしていないし、じっくりと書かれている。今後の事業の趨勢を考える上で概説的だがヒントになると思われる。読みやすいし、論拠もしっかりしている論文である。

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kuma

Author:kuma
救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

自分のサイトもあります。
kumaの学習ノート

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク