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社会福祉士制度の定着に関する一研究

木下大生(2007)「社会福祉士制度の定着に関する一研究」『常磐大学大学院常磐研究紀要』1, 37-50


http://ci.nii.ac.jp/naid/40016773824


PDFなし


 副題は、需要側の論理と供給側の論理となっている。


 この論文は、社会福祉施設などの管理者が社会福祉士に求めることや望ましい人材について144施設から調査した内容。内容は多岐にわたって良く整理されているが、要するに、施設が社会福祉士などソーシャルワークに期待することは、運営力、リーダーシップ、オールマイティ、経験、広い視野などであり、さらに職員のスーパービジョンを遂行していく力を期待している。しかし、端的に、新卒の人員が総合的能力を持ったソーシャルワーカーとして業務を遂行することは困難である。国家試験に合格し社会福祉士資格を取得したとしても福祉施設にとっては新人は新人に過ぎない。


 すなわち社会福祉士は業務独占でも配置基準がある資格でもないため、その採用は事業者の裁量に委ねられている。すると、社会福祉士であることよりもまず共に働いてくれることができる人材が、すなわち主体性や共存性の脂質がある人材であるか、と言う側面からの判断が優先される。つまり、資格以前の人間性である。


 日本社会では採用の時点で専門性が求められるのではなく、福祉施設においても企業内労働市場的な考え方や慣行があるのではないだろうか。つまり専門性を向上していくことが、必ずしも需要を拡大していくことに結びつくとは限らないと考える。


 と言いきっている。まったく、そのとおりである。


 社会福祉士が成立してから、さっぱり施設側での採用がない。または働く場が少なすぎる。どうしてか。養成校側は、より実践的なカリキュラムにするべきとか、より専門性を高めないといけないというが、これは成立当初から言われ続けていることであり、何を今更と言った風である。簡単に言って、介護福祉士のような施設に何パーセントいれば加算がつきますよとかそうしたインセンティブ(誘導策)が社会福祉士には全くないのである。


 この論文を読んで、私は、社会福祉士が各施設に何人以上必ず置かなければならないとか、何人以上いれば加算がつくとかでなければ施設での採用はほとんど無いと思う。そうして量的にもあるいは実践の場が確保されて初めて専門性とは何かという議論になるのではないかと思う。その意味で、これまでの専門性向上ありきの議論は本末転倒である。言い換えると社会福祉士の専門性向上によって、社会福祉施設に必要とされる資格になりうると言う議論はおかしいということである。まずは、採用基準とし、送り込んでこその専門性である。



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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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