配偶者間介護と家族ダイナミックス

春日井典子(2003)「配偶者間介護と家族ダイナミックス」『甲南女子大学研究紀要. 人間科学編』 39, 39-48,
http://ci.nii.ac.jp/naid/80015923340
PDFあり

 副題は、介護者の語りをとおして となっている。
 介護保険が始まり、介護の社会化が謳われるようになっているが、近代家族の言説は根強く、特に高齢者にとって、夫婦間での介護では、妻は夫の面倒を見るべきであるとか、子供には迷惑を掛けられないとする言説は根強い。これはいくつかの事例を基にじっくりと描かれており、読むに値する内容である。というか、これがおそらく現実なんだろうと思う。特に、夫が妻を介護する場合は、子供世代や介護サービスに対して開放的であるが、妻が夫の介護をする場合は、自分一人でやろうとすることや他の介護者の手を借りようとしないといった閉鎖的である。それがいくら周りに手伝っている人がいたとしても…である。妻の心情をよく表している内容である。そして、それを縛り付けているのが、近代家族とかこれまでの生活の中で形成された関係性である。読めば読むほど考えさせられる内容となっている。夫婦関係システムの閉鎖性、夫婦関係は最も親密で排他的な関係であり、夫婦は健やかなる時もやめる時も愛し助け合うという夫婦愛原理や男は仕事、女は家庭という性別分業規範などは、子育て期には適合しても、高齢者介護に置いては、核家族の自律性原理のような排除する原理があるとする視点はかなり示唆に富んでいた。

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