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「近代家族」の概念実践

上谷香陽(2007)「「近代家族」の概念実践」『応用社会学研究』 49, 163-173,立教大学
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006221636
PDFあり
 副題は、日本版「名前のない問題」のアポリア となっている。
 名前のない問題とは、物質的な豊かさが保障され、愛する夫と子どもを世話する毎日。幸福であるはず、幸福でなければならない境遇で不可避に感じてしまう不安や不満。しかし、なぜ自分が不安なのか、何に不満があるのかを、説明できない。むしろこの境遇で不幸を感じてしまう自分自身に、何か深刻な問題があるのではないか。妻たちは出口の見えない、いわゆる『名前のない問題』を抱え込んでいる。
 こうした視点で、山本文緒の「あなたには帰る家がある」という小説を手掛かりに専業主婦の主人公が子どもへの漠然とした不満、社会からの孤立を描いている。また、それにとどまらず、夫の立場での家族とは何かを引用しながら分析しており、どちらにも感情移入しつつ、近代家族の規範意識を鋭く問う内容になっている。
 ひょんなことから近代家族のことを調べ始めた私にとって、近代家族とは何かについて、この論文を読むまでいまいちピンとこなかったところがあった。しかし、この論文では小説とはいえ、一つの家族の中にどのような規範が入り込み、しばりつけ、問題として存在するのかを具体的にイメージすることが出来た。イエに縛られているのは、妻だけではなく、夫も同様であり。そして、問題はイエを自明視している夫の方にあるのではないか。もし家族の関係が崩れた時、再構築できるのは妻なのかもしれない。そんなことを考えてしまう内容である。

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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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