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社会福祉行政のこれから

畑本祐介(2012)「社会福祉行政のこれから」『山梨県立大学人間福祉学部紀要』7,17-29
http://ci.nii.ac.jp/naid/110009455146

PDFあり
 副題が、〈社会保険〉化と行政空間の変容 となっている。
 いわゆる、社会福祉サービスの普遍化に伴って、そもそもの福祉の在り方が変わったとか、行政の責任の所在があいまいになったとかそうした批判的なものかと思ったが、案外そうでもなく、歴史的な経緯も踏まえながら割と淡々と記述していた。そのため、事実としてじっくりと読むことが出来、逆に考えることのできる内容であった。
 最初は教科書のおさらいのような内容であるが、しばしば大人になると知ったように思えることも、そうだったなと確認しながら読むことが出る丁寧な概説となっている。50年の勧告とかベバリッジの報告とか三浦文夫の非貨幣ニーズ論とか懐かしい。また実施主体である市町村や福祉事務所の変遷も現在においては使い勝手の良いようにワンストップサービスとして窓口が改変されている事も知ることが出来た。
 その他、介護保険におけるモラルハザードや準市場における弊害などは他の論文でもさんざん言われているので、省略。
 この論文でためになったのは、市町村に権限が移譲になった本質的な意味である。私はずっと単に国や県の責任の後退だろとか介護保険によって高齢者福祉の財源確保、あるいはコストカットのために作り上げたんだろうと思っていた。確かにそうした側面もあると思うけれど、福祉サービスの普遍化から、誰もが使えるサービスを標榜した時、地域の土木インフラなどの広域的な行政対応よりも、基礎自治体が担当してそうした個別的な対応をするのが当然であるという言説も確かであると思った。その後の、ガバナンスの議論や、本質的に、福祉国家は市場の失敗を補う役割があるという根本に返れば、準市場である介護保険が失敗した場合、どのようにフォローするのか。
 そのフォローの枠組みは、公共財の提供、所得再分配、外部不経済(経済的ではない事業など)への対応である。現在も部分的に介護保険でも行われているが、この三つの枠組みで考えるとすっきりするなと思った。例えば、公共財は税金だろうし、所得再分配は費用負担の応能部分など当てはまりそうなのがあるなと。

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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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