介護保険制度下のケアマネジメントとレリヴァンス

小坂啓史(2013)「介護保険制度下のケアマネジメントとレリヴァンス」『現代と文化』127,133?145,日本福祉大学福祉社会開発研究所

http://ci.nii.ac.jp/naid/110009577097
PDFあり

 いわゆる日本的ケアマネジメントへの批判的な論文である。レリヴァンスとは、シュッツの概念で、日常で人々が行動する規範には無意識なうちに様々なバイアスがかかっていることを明らかにしたもの。それで、ケアマネも利用者も介護保険の背後にある利用抑制とか費用削減の意図にからめ捕られて、選択する以前にすべてバイアス(抑制・制限)がかかっていることを説明している。
 レリヴァンスを持ち出すのはざん新だったが、説明に無理があるんじゃねと思わないでもなかった。少なくても、概念の説明がよくわからなかった。それでも最後の方に書いてある暫定的な結論は全くその通りと思った。ケアマネジメントの導入そのものよりも、運用と目的が、そもそもケアとは生の全体であるにもかかわらず、提供側と被介護者の非対称性で分割し、提供側が統括可能な形でケアを読み替え、被介護者がカッコつきで選択させられているという現状。つまり、介護サービスをマネジメントするのではなく、受けたいとする被介護者を統制している事。制度のために人々をいわば枠づけしていくこと。社会福祉理念から遠ざけ、社会構造の維持を第一義としていることを明らかにしている。それは大きく敷衍していけば、社会的排除の問題群に行きつくことは容易に想像できる。

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