Mother/Girl-母なる少女

吉田明子(2000)「Mother/Girl-母なる少女」『女性学評論 』14, 201-224, 神戸女学院大学   
http://ci.nii.ac.jp/naid/110008798280

PDFあり

 副題が、『美少女戦士セーラームーン』にみる通過儀礼 となっている。

 一時期、サブカル系の論文を漁っていて、読まないまま放置していたけれど、息抜きで読んでみた。この紀要だけなのかそれとも論文賞というのが学内にあるのかわからないけれど、『最優秀賞論文』と太字で書かれていて、セーラームーンで最優秀賞?!と思ったものだった。
 中身の方は、かなりこなれた文章で、余裕すら感じさせられ、ところどころに引用されるセリフにクスッとしたり。また、構成も用意周到で、ちゃんと伏線が回収されている。読み物としては、とっても面白く読ませてもらった。論旨としては、セーラームーンは少女という明治以降に作られた、女性像、母性よりも消費、あるいは母というよりも、女性として付加価値をつけられた商品を下敷きにしていること。しかし、女性として成長するために、あるいは少女の通過儀礼として、分離、最初の夫の殺害、移行期、そして再統合という過程を経ることを昔話の原型から読み解いている。
 しかもセーラームーンの特徴は、夫となる男性を獲得するとか、通過儀礼後に何らかの成長をするというよりも、消費という欲望と永遠に戦い続ける点である。つまり永遠の少女としてセーラームーンが描かれているのである。つまり、消費の通過儀礼を執拗に繰り返すことで、儀式の儀式化つまり、儀式自体を無化させていくことで、少女であり続けることを描いていると解釈している。
 スケバン刑事(デカ)の解釈など随所にやっぱりクスッと笑える箇所が満載で一気に読むことが出来た。さすが、最優秀論文賞である。

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