鳥海山について二本

 平成25年4月28日に秋田県立博物館にて行われた特設展「霊峰鳥海を祈る人々」を観に行って、今更ながら山岳信仰の裾野の広さに感銘を受けた。山岳信仰自体はかなり古くからあり、記録上は800年代中期からあるが、多分それよりもずっと昔からあったと思う。根本的には、縄文人も山を畏れ、祀り、ストーンサークルなども山から登る太陽の位置などで決められていた。アニミズムと山岳信仰は深いと思う。

 それはそれとして、鳥海山でCiNiiで検索して、かつPDFで落とせる論文の中から、民俗学的なモノは、鈴木のが唯一だった。あとは火山学とか地質学系の論文が多く、その中で読めそうだったのが、島野であった。ともに無料PDFあり

 鈴木は特に山形側の鳥海山の信仰、特に修験道と村の「講」や年中行事についてかなり詳しく論じている。なんと67ページと論文にしてはかなりのボリュームで、鳥海山の信仰について興味がない人にはちょっと二の足を踏むかもしれない。けれども、最初の20ページで鳥海山の信仰を概説しており、自然環境や伝承などを幅広く紹介しているので、それを読むだけでもかなり総体的に掴むことが出来る。また明治時代の習合分離政策と修験道の生き残り策や詳細な年中行事の紹介はそれだけで読み応えがある。唯一と言っていい、CiNiiでPDFで読める民族誌なので落としておいて損はないと思う。

 島野は、題名の通り、湧き水の水分の分析である。この論文の面白いところは、湧き水があるところの写真を実に28点と多数載せていることである。また昔の人はネーミングがよい。瑠璃水、仙人水、出壺の湧き水とか。なんとも行きたくなる。さらに山の噴火や地形変化の歴史をさらっと概説しているので、鳥海山の歴史を知る上で分かりやすい内容となっている。成分の方は、山の湧き水として、海側に面しているため、ナトリウムが含んだ湧き水が多いことなどが、分析結果示されている。湧き水の性質や成分量など詳細にわたって論じていて、すごく丁寧に書かれていることが分かる。


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