NPO介護福祉系について2本

 介護福祉のNPO法人関係について二本まとめてみた。この論文の共通性は、介護保険における硬直性や事業展開の困難さにある。

 共に、PDFあり

 金谷は、介護保険が成立した当時は、民間団体の投入やその当時にNPO法が脚光を浴びていたため、介護系NPO法人がかなり設立していたこと。しかし、介護保険制度がある程度浸透したときに、NPOの存在意義が薄れていっていることを背景に、現在、どのような状況にあるのかを調査している。特に、介護保険は万能ではなく、むしろ消費者として排除される存在をカバーできないこと。また、介護保険以外のサービスは提供できない。あるいは、上乗せ横だしのサービスは中央の集権的な意向もあり、各自治体ではあまり機能していない。そうした中で、NPOがニッチなサービスを提供する役割が求められている。調査の実際としては、生活の切れ間の無いようなサービス提供やいわゆる痒いところにも手が届くような日常的なサポートが中心であることが分かる。しかし、運営自体は、介護保険内での収入にかなりの部分頼っていること。またボランティア的なため、人材確保や育成が思うようにいかず、リーダー的存在の育成ができないことなど多面的な調査結果を論じている。よく調べられた内容で、興味のある方は読み応えがあるかと思われる。

 本郷は、2003年と2006年に介護系NPOで働いているSW(社会福祉士)の実態調査を行っている。結果的には、SWは必ずしも必要であるという訳ではなく、といっても不要というわけでもないということになっている。金谷も述べているように、NPOは介護保険制度以外のサービスを提供することが特徴としてあげられる。しかし、制度が10年以上運用されていく中で、そうした制度外のサービスを提供すること自体が難しくなり、制度によってカバーされるようになり、翻って、こうしたNPOの独自性が薄まってきている。制度外のサービスを提供するためには、地域住民からの相談やニーズの発掘、社会資源の活用や独自サービスを企画・運用すると言ったSW的な視点を有する必要がある。本郷の調査結果からも、社会福祉士よりもケアマネや介護福祉士の人材を求める傾向が強くなっていること。また、社会福祉士でなくても相談に応じることが出来るなど、特段、社会福祉士が必要ではないという現状が浮かび上がっている。とはいえ、社会福祉士の配置自体は増えており、そのニーズは相談業務以外の法人全体の活動など総合的な専門的な判断を持つスーパーバイズ的な存在を求めているようである。また、一様にNPOは財政が不安定であり、それが社会福祉士を配置することを困難にしていることも明らかにしている。


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