障害者の就労と多様な『自立』支援策の必要性

石倉康光(2008)「障害者の就労と多様な『自立』支援策の必要性」『立命館産業社会論集』44(3),41-62

http://ci.nii.ac.jp/naid/40016826032

PDFあり:ただし、下記のリポジトリから

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ss/sansharonshu/443j.htm

 副題は、知的障害及び精神障害を持つ人の本人調査をもとに となっている。

 題名の通り、就労を通じて障害者は自立をしているのかを論じている。端的に、経済的自立はまず困難であり、就労とは名ばかりの現状である。しかし、授産施設や作業所など、生活の活動場所があることに関して障害者も家族も非常に有意味なことである捉えている。障害者の自立観についての詳しいレビューが載っており参考になることが多い。特に障害者自立支援になってからは、『依存しながらも社会生活における自立』という選択肢を保障する公的な努力を弱め、また収入認定も家族の収入を基礎として家族依存を暗黙の前提としており、『自立』とは矛盾していることを厳しく指摘している。

 いずれにしろ膨大な調査データを駆使して、就労に関する知的障害者と精神障害者の実態をつまびらかにしており、この手のことを知りたい人には最適な内容となっている。最後に、確かに就労は自立にとって最終目標になりうるが、それによって経済的な自立が困難な現状である以上、それ以外の社会生活や活動の支援がより充実するべきであるという提言はもっともである。


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