ケアマネ関係(3):処遇困難など

 今回は、処遇困難ケースとか、家族介護支援のニーズ調査を合わせて4本まとめて紹介。ちなみに、全てPDFあり。特に、斎藤ら湯原らは面白い内容なので興味のある方は是非ダウンロードして読んでみてほしい。

 処遇困難についてケースごとに齋藤らが分類している。ケアマネ16人にどのようなケースが対応困難であるかをフォーカスグループインタビューしている。その中で約30の事例が抽出され、「事例」「状況・ニーズ」、プロセスでの「アセスメント」「計画」「実施」「モニタリング」で整理されている。研究手法や手順もしっかりと示されており、説得力のある内容となっている。共通性として、「虐待」「認知症」「不安定変動」「医療依存」「ターミナルき」「多問題」「拒否」「介護不足」「経済困難」が挙がっている。またプロセスでは「計画」「実施」が特に難しいと感じているようである。いずれにしろ介護保険サービスで対応できるのかどうかの線引き、また抱え込まずにチームで対応することの重要性を提示している。かなりしっかりとした内容で読み応えのある内容である。

 同じようにケアマネが対応困難と考えるケースを逆にケアマネ自身の力量不足の観点から布花原らが20名のケアマネからインタビューしまとめている。力量不足と言っても、このケースの何をどう主題化したらいいのかと言った迷いと言った類で、上から目線の力量不足の指摘ではない。カテゴリーとしては「契約時」「明確化」「ケアプラン作成時」「モニタリング」「関係形成」「チーム調整」「生活支援」「社会資源」等々ケアマネの業務の中にある諸要素を具体的な困難に交えて分かりやすく描いている。たぶん、ケアマネを実際やっている人なら、「あるある」とうなずきながら読むことが出来るのではないかと思う。また各項目に対する解説も丁寧な親切設計である。後半の考察もいちいちもっともである。アセスメントの重要性、アカウンタビリティのスキルがまず求められているのもうなずける。初心者にとってアセスメントから分析し問題を主題化するスキルはその後の計画・実施に繋がることである。まずは介護問題の視角化こそがスキルとして求められると言える。

 介護は本人だけではなく、特に在宅の場合、家族なしには成立しない。そうした家族への支援のあり方について廣橋が論考している。内容自体はケアマネとは何か。介護保険における役割とは何かの教科書的な記述で、まぁ、復習するには丁度良い内容となっている。後半に1000人規模での高齢者世帯の調査を紹介し、高齢者にとって家族を一番頼りにしており、こうした家族へのケアマネからの支援は介護そのものを保障するという論点である。何かのレポートには使える内容かと思う。

 逆に家族介護者から見たケアマネの役割というユニークな視点で湯原らが研究している。家族の中にはケアマネって何する人なのか分からないという認識を持つ人も結構いる。その意味で、家族にとってケアマネはどんな存在なのか、あるいはケアマネへの望むことなど、家族からインタビューを行っている。特にケアマネへの家族への評価は結構厳しい。ちょっと苦笑いをしてしまう内容。特に家族にとって担当がコロコロ変わることはイヤなんだなぁと実感する。そして望むことは、もっと勉強して知識を持てと。なかなか的を射るものの耳の痛い内容となっている。後半の考察も示唆に富み、ケアマネの業務をしている人にはある意味必読かもしれない。

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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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