魂に対する態度

丸田健(2010)「魂に対する態度」『大阪大学大学院人間科学研究科紀要』36,263-278

http://ci.nii.ac.jp/naid/120004842220

PDFあり

 副題は、他者との関わり・自然との関わり となっている。

 道徳教育に関しての原理的な問い、「人に心はあるのか」をめぐっての考察となっている。人に心はあるのか?それは一件自明なことだけど、実は良く分からないことである。デカルトが「我思う故に我有り」とは思考する存在である自分が自分たらしめている。もし、自分が思考しないということは、自分が生きていることを実感しないことと同義となる。簡単に言って、人は考えるが故に、自分が世界に存在することを理解するのである。しかし、それはあくまでも自分のことであり、果たして他者もまた我思うが故に我有りと思うのか。あるいは、自分に心があるからという理由で、相手にも心があると断じることが出来るのか。そんなややこしい問いをデカルトやウィトゲンシュタインなどの命題を元に考察している。または過去未来現在は地続きだとだれが分かるのか。二秒前の風景と今、目の前に映る風景はつながっていると誰が証明するのか。そんなことなどを論考している。

 結局の所、心と体の他に、人は魂という統合するものがある。その魂で、心がないと思われる自然にも心があるように扱うし、他者も魂があるかのように振る舞う。心とか体よりも人は魂の中で生きている。そんなことを東洋・西洋問わず広範囲に哲学者を引用しながら解説している。

 一見すると読みにくいかと思うが、じっくりと読めば分かる内容で、その上哲学の基本的な問いを扱っており、興味のある方は読んで欲しい。

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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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