琉球における中国的宗教文化

窪徳忠(2005)「琉球における中国的宗教文化」宗教研究 78(4), 1249-1272,

http://ci.nii.ac.jp/naid/110002826694

PDFあり

 もともと庚申講について調べていてヒットした論文。沖縄には庚申信仰の形跡を探しに行った筆者が、それらしき物を見出すことが出来ず、予定を変更して中国的な信仰の痕跡を調べた内容となっている。

 いくつかの本などでも、沖縄には本土とは違う独自の信仰があるんだろうなぁというイメージはあるけれど、実際はどうなのかについては知らなかったが、この論文ではそのあたりのことをよく調べ、また中国的な信仰が沖縄という異文化の中で変容していった様子を分かりやすく論じている。中でも、古来は日本には道教は伝来してこなかったというのが定説だったらしく、筆者が、庚申信仰と中国の三尸信仰を関連づけて講演したらさんざん叩かれたということから出発している。

 また博学な老学者の飄々とした語り口についつい吸い込まれる。琉球が中国と交易し、時に中国の支配を受けていたことは歴史的にも明らかであるが、そのあたりの経緯も詳しく論じている。そして、道教的な信仰がいかに民間に広がっていったのか、そして土地の神として定着していったのかを論じており、興味のある方は是非読んで欲しい内容となっている。

 中国や韓国から流入した様々な宗教、あるいは流入する前からあったアニミズムもまたロシアなどの影響もあることを考えると、日本独自の宗教と言うことにこだわらず、宗教の持つ伝播力とそこに込められた様々な願望や欲望を根底に見ることの方が大事ではないかと思う。

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