巨人伝説の考察

竹田伸一(2005)「巨人伝説の考察」『金城学院大学論集(人間科学編)』2(1),20-28

http://ci.nii.ac.jp/naid/110004746877

PDFあり

 副題が、聖書的伝承とハリ・ポッター となっている。

 ハリー・ポッターの作中で有名なのが、ハグリットであるが、そもそも巨人とはどのような存在なのかを主に旧約聖書から引用している。

 巨人は、人間の娘と天使の間に生まれたことと解釈されること。また、その後数を増やして人間を食べたりするようになったことなどを聖書を下に非常に分かりやすく論じている。その後、ノアの箱船などで、巨人がかなり粛正され、サイズも小さくなっていったこと。ノアの箱船の件で、滅ぼされた巨人が死霊となってさまよっていたことなどを紹介している。その後、ダビデにより巨人が対峙される件は、長い引用によって詳しく論じられており読んでいて楽しい。要約されると、旧約聖書における巨人は敵であり、滅ぼされる対象であった。それは「隣人を愛し、敵を憎め」というラビの教えであり、それが新約聖書によって、乗りこえられていくことを明らかにしている。そして、ハグリットもまた、旧約聖書での巨人の凶暴性と滅ぼされて言ったことを語り、巨人と人間の混血であるハグリットの中に、隣人のように敵を愛せとする新約聖書のような願いをこめて存在させていることを論じている。

 旧約聖書や新約聖書と聞くと何となく敷居が高いと思いがちだけど、長い引用をつなぎ合わせてみると非常に面白いファンタジー物語として浮き上がる。名画も多数紹介され、ビジュアルとしても面白く、一読の価値があると思う。

 つくづく、聖書などの古典はあらゆる物語の原型であるなぁと思わせてくれる。
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