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介護保険制度2

 主に施設と介護保険システムについて論じているものをまとめている。

  1. 浅野葉子・橋本伸也(2012)「介護老人保健施設の入退所状況と地域における役割」『藤女子大学QOL研究所紀要』7(1),77-85
  2. 真砂良則(2007)「施設サービス計画の現状と課題」『北陸学院短期大学紀要』39,189-198
  3. 佐藤英晶(2010)「特別養護老人ホーム入所に関わるアカウンタビリティーとアドボカシー」『帯広大谷短期大学紀要』47,1-10
  4. 吉田初恵(2012)「わが国の高齢者介護におけるアカウンタビリティ:非営利組織のアカウンタビリティを中心として」『総合福祉科学研究』3,15-21,関西福祉科学大学
  5. 竹原健二(2001)「社会福祉における利用者の主体性の阻害と課題:介護保険制度を例として」『岐阜大学地域科学部研究報告』9,93-105
  6. 池田幸代(2012)「介護事業利用者の介護サービス選択に関する調査研究」『東京情報大学研究論集』15(2),53-67
  7. 佐橋克彦(2012)「わが国介護サービスにおける選択制と利用者主体の限界:準市場の観点から」『北星学園大学社会福祉学部北星論集』49,99-114
  8. 中村晋一郎(2008)「介護保険市場における営利法人についての考察:地域型福祉構築の可能性と問題点」『龍谷大学大学院法学研究』10,145-166
  9. 坂本毅啓(2009)「介護職員確保のための介護報酬改定とその前提条件」『創発:大阪健康福祉短期大学紀要』8,77-92
  10. 川瀬善美(2009)「第4期介護保険下の介護保険施設の経営:2009年第3回改訂の影響」『白鴎大学教育学部論集』3(1),71-87
  11. 大友芳恵(2008)「介護保険制度施行以降における特別養護老人ホームの援助の変化:1996年調査と2006年調査結果の比較から」『北星学園大学大学院社会福祉学研究科北星学園大学大学院論集』11,137-152
  12. 野口典子(2003)「老人福祉法制定前後における"新しい老人ホーム"の構想と実際」『日本福祉大学大学院社会福祉学研究科研究論集』16,1-12

野口はPDFなし

 まず、野口は老人福祉法成立前後の施設状況や設備、最低基準について詳しく述べている。昨今のキレイな設備やケアサービスの充実は歴史的な動きの中で積み上がってきたと観るべきで、現業の人には知り得ない昭和38年くらいの老人ホームの実態の一端をかいま見ることが出来る。ある意味労作である。

 介護保険施行前後の援助の変化について、大友がまとめている。北海道の施設約70から回答を得た内容で、理念としては契約や対等といった事が前面に出るが、実際は、リスク・コストに焦点が行き、労働の流動化、低賃金、パート採用、リスク回避のために施設側の管理や判断が増加したこと。一方、離床時間の拡大などの拘束という名のリスク回避などがされているといった実態が明らかにされている。

 介護保険が施設に及ぼす影響について、経営的な視点で川瀬が論じている。この論文は第4期に当たる時期に書かれ、ちょうど人材確保や処遇改善交付金など賃金の改善が謳われた時期であった。そのため、労働環境などについて割とじっくり論じられている。興味のある人は読んでみると良いかと思う。

 同じように介護員確保と介護保険を論じたものとして、坂本の研究がある。すでに介護労働の定説、女性労働による低賃金、非正規雇用の多さ、離職率の高さ、全産業にくらべると圧倒的に少ない給与…これらに一つ一つ現状を論じている。後半、労働曲線?、おそらく経済学の何かから、最適な状態について開陳しているがよく分かりません。結論として、そもそも介護報酬が低く、経営が不安定なまま使途が限定された処遇改善交付金のような補助金を交付したところで何も解決されない。かといって、保険料の引き上げは国民一人ひとりに負担が増すことなど本文の4章に詳しく書かれてある。

 介護保険と民間参入については、中村が論じている。NPOなど非営利団体が福祉業界にも浸透しているが、本論では特に営利団体について焦点を当てて論じている。営利である以上、利益を出さねばならず、出ないであれば退出する。これが資本社会であり、営利の目的である。しかし、高齢者の持続的な生活を支えるサービスである以上、採算だけを考えてはうまくいかない。この論文では、法人格はたくさんあること、また出資者の法人的性格による地域に根ざした運営が出来ることをいくつかのモデル提示している。

 実際の在宅サービスを利用しての使い勝手や制約について、池田が概説している。約6人の事例からなり、分かりやすい内容になっている。また在宅福祉の現状についてもさらっとまとめている。

 介護保険の市場という取り扱いについて、佐藤がかなり踏み込んで論じている。特に本当に利用者に選択の自由があるのか、市場が通常使う選択は、介護保険ではあるのかなどかなりシビアに問う内容である。前提として、既に要介護認定を受けて限度額を受けることは市場の言う選択ではないし保険給付であるサービスにも平等性が短押されていないとばっさり。地域における格差も前提に組み込まれた介護保険とは何か。考えずにはいられない内容である。

 竹原は利用者の主体性に焦点を当てて介護保険を批判している。そもそもこの先生は障害者福祉論で有名な先生なので、平等とか人権とかが念頭にある人なので、そうした立場で読むと良いかと思われる。

 介護保険ではアカウンタビリティの重要性が説かれているが、このことについては、佐藤が特養について、吉田が法人全体を念頭にまとめている。アカウンタビリティは通常サービス提供者と利用者には様々な情報の非対称性があり、その非対称性を取り払う努力を提供者側がしないといけない。この説明責任を指す。その他、吉田は、モラルハザードについて、佐藤は、利用者と入所者保護とか入所優先順位なども問題視して論じている。

 その他、施設サービス計画について、真砂が論じている。施設サービス計画のあり方について5事例をもとにコメントしている内容。重症化している高齢者への計画作りの参考になるかと思う。

 浅野らは、一施設の入所状況を表にして論じている。もし施設で何かしらの現状と課題をレポートにすることが必要であれば、この論文は調査項目やまとめるべき表作りまで非常に参考になるかと思う。

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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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