歴史的地域素材の教材化とその特色

外池智(2003)「歴史的地域素材の教材化とその特色」『秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要』25, 17-30

http://ci.nii.ac.jp/naid/110000970124

PDFあり

 副題は、「古里カルタ 私たちの八橋・寺内」を事例として となっている。

 私が小学校の時に、このいわゆる「八橋カルタ」をもらって、また校外学習として、高清水から八橋まで史跡巡りをした記憶がある。いまもそのカルタは大事に保管してあって、カルタの箱に、「たからもの」と自分でマジックで書いていた。今、子どもたちに夏休みの課題で、一緒に史跡巡りをしたり出来るのは、こうした教育があったためである。高清水の霊水とか記憶の底にあったんだけど、子どもとカルタを片手に地図を見ながら歩いたのはちょっとした記憶への冒険でもあった。

 そもそも高清水や八橋、あるいは寺内はかなり古くからある町で、平安時代までさかのぼることが出来る。しかし、こうした事実も教育無しでは理解できない。そう言う意味で教育の力ってすごい。逆に言うと、教育によって洗脳も出来るし、間違った歴史認識を…ってここでいうことじゃないか。

 とにかくこのカルタ、実は一人の校長先生の発案で行われたものだった。しかも県単位ではなく、市町村で、しかも校長一人が興したって所がすごい。当時、このカルタは1980年に制作されたんだけど、当時小学校では、1978年で児童数1600人38学級あった。その後、泉小学校が出来て幾分か分散したけれど、1200人34学級だった。またゆとり教育の走りの時期でもあり、4学級分の余裕が出来たことから、空いた教室で郷土教育を推進できたとのこと。またカルタを作るだけではなく、それを活用した様々な取り組みをしたこと(八橋人形の体験制作や作成過程のフィールドワークを生徒に追体験させるなど)や校長先生の述懐とか、かなり示唆に富む内容である。さらに当時の図版やどのようなことがカルタに取り上げられたのかといった分類まで詳しく分析されている。その後、この校長先生は赴任先でも同様にカルタをなんと5つも作っている。

 一人の発案から郷土教育が発展していく。その熱意に人々は突き動かされ多様な活動へと結実する。それは子どもたちに郷土教育を根付かせ、もしかもしたらまた自分の子どもに継承させる契機となる。私の恩師も、教育ってのは種まきだからとのこと。それが花を咲かせ、また種になる。そういうことなんだろうと思う。

 かなりレアな論文なので、是非お手元に。

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