医療ソーシャルワーカーの養成のあり方と医療連携チームの今後の養成課程の方向性

鍵井一浩(2012)「医療ソーシャルワーカーの養成のあり方と医療連携チームの今後の養成課程の方向性」『関西福祉科学大学紀要』16,129-151

http://ci.nii.ac.jp/naid/110009488496

PDFあり

 簡単に言って、看護師や医師、あるいは理学療法などに比べて、MSWの教育は充分にされていないことを強調した内容になっている。大学院生の論文なので先行研究の下調べからMSWの存在意義が増した政策的背景、退院支援やそれに連なる生活へのフォローに対して診療報酬がついたことなどを詳しく書いてある。ただ、文章がくどい上に同じような言い回しが何回も出てきて、それさっき読んだし…とつぶやいてしまうこともしばしば。

 問題としては、社会福祉士がMSWになれることは資格の職域が広がって良いことであるが、しかしMSWの実習をしないままにこの世界に飛び込むには、社会福祉士のカリキュラムからすれば脆弱と言わざるを得ないだろう。医療には医療のロジックがあり、それを充分に踏まえた上で、社会福祉の視点で行わないといけない。ある意味、メディックの専門職~医師や看護師の土俵を十分に理解した上で、SWのロジックを主張していくという、よりも非常に難しい立ち位置である。

 昔、社会福祉士とは別に、MSWになるための専門のカリキュラムや実習形態があった。私の大学でも、その特殊な実習をしないことには医療相談系へ就職はできないという暗黙の了解があった。そう言う意味でも、昔からMSWになると言うことはそれなりの準備が必要なのである。

 ちなみに別論文では、社会福祉士の実習指導者研修が導入されてから現任のMSWが受け入れを拒否するようになり実習先が激減しているという現状もあり、今後どうするんでしょうね。

 それでも、もしMSWになろうかなと思う人には一読の価値があるかと思う。


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No title

Google scholarでMSWにアラートをかけておりましたら、
kumaさまのこの記事へたどり着きました。

私は医療機器メーカーを辞し、現在、社会福祉士の取得を
目指しているものです。
取得後はMSWとして病院勤務を望んでおります。
その上で、大変良い文献に巡りあうことができました。
取り上げてくださり、ありがとうございました。
…著者の文章については、全くの同感でしたが(笑

お礼を何とかお伝えしたく、コメントさせていただきました。

No title

こちらこそいろいろな示唆をありがとうございます。
自分の文章も色々とクセがあるので、人のことは言えませんが、まぁ、ブログという媒体の性格上お許しください(笑)

今後ともがんばってください。

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kuma

Author:kuma
救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

自分のサイトもあります。
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