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エンパワメント論:ナラティブ・モデルの批判的吟味

加茂陽・木下由美(2001)「エンパワメント論:ナラティブ・モデルの批判的吟味」『社会福祉学』42(1),12-22

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008093398

PDFあり:有料

 まだそんなにナラティブが日本では脚光を浴びていない時代の先行研究。ナラティブは、人は言説によって行動を規定し、自分を価値づけている事。たとえば、アルコール中毒の患者は、医療や周りの人々、家族、友人などなどとのコミュニケーション、またはさまざまな社会的な扱い:矯正施設・通院・就労の制限を自分なりに解釈し、知らず知らずのうちに構築し、アルコール中毒の人のようにふるまっている。

 ナラティブはそうして構築された世界にはその人を縛り上げる支配的な価値観があること。そしてそれ以外の生き方に目をつぶっていたり、気づかなかった他の言説を一緒に紡ぎだす事で違った価値観(語られなかった言説の発見)で生きていくことをサポートする技法である。

 この論文では、ナラティブの長所と問題点を非常に簡潔にしかもしっかりとらえている。さらに事例として日常の会話の中で生起する親子の会話の中に潜む支配的な言説と行動を紹介し、それがナラティブによってどのように変化していくのか、そのささやかな変化について紹介している。支配的な言説からの脱却とか考えると、すごく大がかりなことを考えてしまうが、日々の実践の中にある小さな変容を促す事。そうした細部にエンパワメントが存在するんだなぁと感じた次第。

 ちなみに加茂先生はナラティブの前から家族療法とかシステム論からずっと読んでいる人なので流れがわかるけれど、文体に慣れないと非常に小難しく書く先生なのでちょっと抵抗があるかもしれない。でも言っている事はすごくシンプルである。ぜひ頭のトレーニングに読み解いてほしい人である。

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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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