大地の母

松本守(2008)「大地の母」『藍野学院紀要』22,119-123

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008682458

PDFあり

 実際にはフォークナーの『8月の光』のヒロインのことを愛情を持って論じた内容となっている。臨月の近い女が、逃げ出した男を探して旅をする物語である。そして道行く人たちに彼女の無邪気さや誠実さ、あるいは生の輝きに触れて生きることの希望を見出していく物語である。

 幾分、現代的ではないとしてもこの論文を読むと人が妊娠することやお腹の中で子供が育って行くことの宗教的な意味について考えずにいられない。中でも、大地の母に属する女性は多産で、自己犠牲的で、自ら進んで苦難に耐え、家族の維持と世話に献身している。彼女たちの生き方は物事の自然な秩序に対する楽観的な信頼である。あるいは、大地の持つ豊饒さと持続性に恵まれていて、あらゆる固定観念や強迫観念にとらわれずに自然の最も深い目的と静かに調和して生きている。彼女たちは「大地の母」の化身として人類の保存に本質的に必要な女性であるとまとめている。

 私の本棚にもあったような気がするけれど、ちゃんと読んでいなかったなぁ。今度ちゃんと読んでみるかな。それだけすごく面白くこの作品に対して深く分析している。


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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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