高齢者ケアマネジメントにおける倫理的意思決定

沖田佳代子(2002)「高齢者ケアマネジメントにおける倫理的意思決定」『社会福祉学』42(2),150-159

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008093423

PDFあり:有料

 副題は、ソーシャルワークにおける道徳的推論の適用に関する議論からの一考察 となっている。

 高齢者のケアマネジメントは、様々な倫理的なジレンマに陥る。例えば、利用者のニーズなのか家族のニーズなのか、必要なサービスと費用抑制の圧力、利用者の判断の尊重と、自律性と干渉主義、組織とゲートキーパーとしての自分などなどである。その時、どのような判断を下すことがベターなのか。その基準が倫理的なのか官僚的にするのか。おそらくその間を揺れ動き、100%倫理的な判断をする訳じゃないと思う。

 ただ、では何が倫理的な判断なのか、あるいは倫理的と言われるジレンマはどこにあるのかを明確にしている。また倫理的判断としては、欧米のソーシャルワークの倫理綱領や議論を紹介しながら高齢者のケアマネジメントは、自律性と相互性、権利と関係性、正義と徳の構成概念を内包する視座のもとで推論を行うこと。実際の行動は、主観的視座と客観的視座、専門的志向と管理的志向、クライエント中心とシステム志向、ニーズと規則の社会的文脈におかれることを整理している。

 自分の行いが正しいのかどうか。これは非常に難しい問題である。ただ、基準としての倫理的判断というものはあまり考慮されない。しかし、専門職として利用者に働きかけると言うことは倫理的な判断無しでは語れない。その意味で、この論文の整理は非常に実践的と言える。やや難しいけれど読み応え有り。


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