高齢者福祉施設生活相談員が必要と認知する対人福祉サービスの構造化

井上祐子(2010)「高齢者福祉施設生活相談員が必要と認知する対人福祉サービスの構造化」『評論社会科学』93,67-79,同志社大学

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008428250

PDFあり

 京都にある高齢者福祉施設223施設に送付し、そこで働く相談員約190名からアンケートを採り、業務上特に対人援助でどのようなスキルを重視しているかを研究している。統計としては共分散構造分析を使って、それぞれの変数がどのような関係にあるのかを明らかにしている。くどいようだけど、私はまったく分析とか解析とか良く分からないので、この手の論文は結果だけを読むことにしている。

 それによると介護福祉士を取得している相談員が多く、また勤続年数も9年以上と長いことから、一つのキャリアプランニング、介護員から相談員に上がることが一つの指標になっている。

 その上で、相談員に求められるスキルとは、「相談面接業務」「援助計画策定業務」「ネットワーク形成業務」「権利擁護業務」「危機管理業務」の5つが統計結果抽出されている。介護福祉士の教育の中にそうしたスキルを養成する項目を含めていくべきであると提言している。

 このことは施設の相談員とは社会福祉士ではなく、介護福祉士が介護からのキャリアアップとして捉えられていると言える。とはいえ、従来相談員の仕事は上手く表現、あるいは定義されておらず、いわゆる施設の便利屋、何でも屋、雑用係と見なされていた。そのため、仕事の範囲や役割が明確にされてこなかったところがある。この論文では、その意味で相談員の範囲や役割が明確にされていて、普段何でも屋の相談員にも自分の価値を契機になるかと思う。また分析の手順などを読み飛ばせば、すんなりと読める内容になっている。


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