「社会福祉士養成課程の新たな教育内容」とソーシャルワーク教育

田川佳代子(2008)「「社会福祉士養成課程の新たな教育内容」とソーシャルワーク教育」『社会福祉研究』10, 31-36,愛知県立大学   

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007722029

PDFなし

 副題は、問われぬ〈社会ビジョン〉 となっている。

 何かと読んでいる田川先生。この人の語り口調がハキハキしていて読んでいて気分が良いというか、読みやすいんだよね。

 この論文は残念ながらPDFがない。まぁ、それでもこの手の議論はだいたい似通っている。ただ田川先生ははっきり言いたいことをしっかりと書いているので、この論文を読めば、社会福祉士の立ち位置とか養成校の苦悩がだいたい分かる。

 この手の議論は、きわめてシンプルである。それは、社会福祉士はソーシャルワーカーとは言えない。また養成校は厚労省のカリキュラムをこなすことで精一杯で独創性とか本来のソーシャルワーク教育とはかけ離れていると言った論調である。

 ソーシャルワークとは、個人の問題を社会文脈の枠組みから理解し、解決していくだけではない。むしろ、社会に散在・偏在している問題から、必要であれば社会の変革や新たな社会資源の提言を含めてエンパワメントしていくスタンスを持つ必要がある。あるいは、今の社会ではなく、目指すべき社会のビジョンを持つべきであり、そのビジョンの実現を図っていく力量を養うのが教育であると。つまり創造性を持って社会に足りないものを見つけ、それを作りだし利用者の自己実現を一緒になって適えていく役割である。それが社会正義とか公平性とかそうした価値観を重要視するというわけである。

 欧米ではそうした実践があるらしいけど、あまり興味がないので読んでない。そうした事例を読むのは今後の課題として、じゃぁ、社会福祉士って何? となる。残念ながら、社会福祉士は機能不全状態が20年以上である。職域も広がっていないしね。それはどこかでも書いたと思うので省略。それよりもこの論文を読んでいてふと、思うのが、多分、ソーシャルワーク教育を志向するのであれば、やはり歴史から学ぶことに重点を置くべきではないかと思う。

 それこそ何も無いところから養護施設などを立ち上げた先人がいる。糸賀とか…そうした実践家のスピリットを学ぶことが何よりではないかと。あと、何も新しい社会資源を生み出すことだけがソーシャルワークの成果ではない。創造とはそうしたことの他に、文章や言葉で伝わることがある。だから、ソーシャルワーク教育で重要なのは、そうした発想を滋養することであろう。今の社会に何が問題で欠けているのか。そしてそれに対してこうした方が良いんじゃないかと思うこと。そしてそれを言葉に載せて表現すること。それもまたソーシャルワークではないだろうかと思う。

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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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