社会福祉士実習生のジレンマ体験の特徴とスーパービジョンのあり方

浅原千里(2012)「社会福祉士実習生のジレンマ体験の特徴とスーパービジョンのあり方」『日本福祉大学社会福祉論集』127,81-99

http://ci.nii.ac.jp/naid/110009485726

PDFあり

 副題は、事例の分類を通して となっている。

 社会福祉士の実習では、介護や現場体験の実習を行う場合が多い。介護福祉士はそうした現場体験をスキルに変換していくことが可能であるが、社会福祉士の場合は、必ずしも介助をするわけではなく、その意味でそうした体験をどう消化していけばいいかが課題になる。この論文では、それは現実と理念のジレンマあるいは、現実と倫理のジレンマとして捉えることであるとする視点に立っている。その上で学生はこのジレンマをどう考えているのか、そして悩むのかを類型化している。

 一応、社会福祉の倫理を考える上で、正義とケアの両面に目配せした上で、新任職員や実習生が現場で何を悩むのかと知った先行研究をしっかり踏まえている。その上で、60名からなる実習生の悩みの記述を分類している。

 結果としては、現場の体制や取り組みに関するもの、学生自身によるものと大別され、さらに体制については、実践と倫理・責務の板挟み、理念とシステムの板挟み、個別支援とトラブル回避などが分類される。学生自身については頭で理解しているが思うように関われないこと、介助への不安、利用者の言動を受け止めきれない、援助関係、職員と利用者の板挟みなどに分けられていた。その分類の例示もしっかりと行い説得力のある内容になっている。

 今度社会福祉士の実習に行く予定の学生、受け入れている施設など参考になることが沢山書かれているので是非読んで欲しい。あるいは、昔実習をした人が読めば、あるあるとくすっと笑えるかもしれない。もし私が実習指導者ならこの論文を先ず読ませるかもしれない。


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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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