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社会的弱者(マイノリティ)に対する現行実定法の不備と運用課題

赤井朱美(2008)「社会的弱者(マイノリティ)に対する現行実定法の不備と運用課題」『神戸親和女子大学研究論叢』41,51-61

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007025801

PDFあり

 表題は社会的弱者となっているが、実質ホームレスの法的保護の脆弱さを指摘している論文。常々、どうしてホームレスは生活保護を受けないのだろうかと思っていた。単に、本人がそれを望まないからと思っていた。どうして望まないのかを個人の責任に帰していたため良く分からなかった。どうして望まないのか。それは生活保護を受けるための敷居がホームレスには非常に高いことがこの論文によって明らかにされている。

 生活保護と並んで、「行旅病人及行旅死亡取扱法」というのがある。しかし、ホームレスは段ボールやビニールテントに住んでいることから定着と見なして病人になっても適用していない。あくまでも旅行中の外国人に適用され、死亡して初めてホームレスは適用される。生活保護でも、ホームレスは度々市町村を移動する傾向があることや資産調査などの実施が困難であるという理由で生活扶助は受けられない。病院にかかったときのみ医療扶助が単給されること、また年齢上稼働能力の有無なので容易に扶助されないなど詳しく書かれている。原理原則から裁判事例などなどを豊富に解説し、ホームレスのおかれている状況が描かれた良い内容となっている。

 簡単に言って、ホームレスという形態自体に生活保護が適応できていないという事実が明らかにされている。しかし、ホームレス自体、非常に長い歴史を有しており、それが現在も対応できにくい事象であると考えれば、福祉国家とは何かということに突き当たる。

 じっくりと考えることの出来る内容。


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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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