若手の相談支援専門員が必要としている研修の内容に関する基礎的研究

木全和己ほか(2012)「若手の相談支援専門員が必要としている研修の内容に関する基礎的研究(その3)」『日本福祉大学社会福祉論集』 127, 145-182

http://ci.nii.ac.jp/naid/110009485730

PDFあり

 障害者向けの相談職にたいしてのキャリア調査。約40ページもある調査研究である。対継続研究3年目~7名となっている。(その1)と(その2)を読んでいないので分からないけれど、おそらく継続研究であるから一年目、二年目とその都度調査していたと思われる。その際、当初12名で行っていたけれど、今回の調査では異動などで7名になったことが明らかにされており、考察の方では、3年で半数近くまでいなくなることは専門的力量を積み重ねることにたいし憂慮していた。

 手法としては半構造の面接と相談員が自分で力量をアップさせるためにどのような研修を行うのかを自分で計画を立てて実施して評価するといった「アクションリサーチ」の技法を使っている。実際には、事例研究やスーパービジョンの場を設ける、自主学習などを自分で立案、実施ということである。相談職としては、発達支援部門ではないものの割と7年とか5年とか中堅ぐらいの人を対象にしているようである。もっともそうでないと自分で力量を見極めて研修などの計画立案などは出来ないだろう。

 ほとんどのページをこの7人へのインタビューに割かれており、現在相談職としてそこそこ年期の積んだ人がどのように次にキャリアアップしていけばいいかとかそうしたことを読むことの出来る内容となっている。とはいえ「相談支援専門員」としては3年というのは周りの状況を把握し、個別性とか地域や行政などとの調整など手応えを感じつつある時期であり、その意味で「ようやく何とか独り立ちが出来るところまで」といえそうであるとのこと。その他、キャリアアップの道筋などは取り立てて目新しいものはない。OJTやスーパーバイズ体制などの継続的保障などなどである。こうした大学機関とのパイプがあれば良いだろうけど、ほとんどの相談職は一人職場で研修も自己研鑽も体系的とは言えない。自主的な勉強会の開催などを通じてネットワークを作ることが大切であろう。その意味で、アクションリサーチの手法でそれぞれがネットワークを形成する力量をつけていくことが大切なんだろうと思う。この論文ではそうしたことをねらったのかなと思わないでもない。

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