施設コンフリクト研究の課題

野村恭代(2012)「施設コンフリクト研究の課題」『関西福祉科学大学紀要』16,61-72

http://ci.nii.ac.jp/naid/110009486355

PDFあり


 そもそもコンフリクトとは1960年前半に主に研究され、その対象は軍拡競争、暴力、侵略といったもので、二つの当事者間で発生する利害対立、資源や地位の希少性を巡る争いなど、工学や社会学など広範な領域で捉えられている。主にコンフリクトは「葛藤」と見なされているが、本来紛争を含めた二者間以上の中で目標のことなるもの同士の衝突と見なすものである。その一方で、こうしたコンフリクトがプロセスを経ることで新しい秩序を作る機能があると言った主張もある。

 コンフリクトはことに福祉では施設を建てる上で近隣住民の反対運動などに焦点が当てられている。その地域社会強力な反対運動で建設が頓挫したり、同意の引き替えに大幅な譲歩を余儀なくされる状態と見なされている。

 なぜ施設建設で地域住民とコンフリクトが起きるのかは、障害への偏見やスティグマ、例えば精神障害者が街にいる事による犯罪の発生など地域生活の安寧が脅かされると言った地域住民の不安である。こうしたコンフリクトをどう解決していくべきかを先行文献を下に概説している内容である。

 社会福祉学ではコンフリクトの厳密な概念に基づいていないことや定義がないとする指摘をしており、コンフリクトは主に施設建設だけではないと問題提起している。福祉のコンフリクトとは何かに興味のある方は読みやすいので参考になるかと思う。


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