〈物語〉の力に基づくロマンチックな科学の提案

竹下正哲(2009)「〈物語〉の力に基づくロマンチックな科学の提案」 『現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要』120, 125-139

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007576148

PDFあり

 副題は 「生きる力」によるナラティブの発展を目指して となっている。

 ナラティブアプローチは割と新しい援助理論であるが、その扱いが非常に難しい。精神医学では、このアプローチは使用されているが、社会福祉分野ではあまり使われてはいないのではないだろうか。本来、貧困とか在宅福祉などで自分の中にある凝り固まった価値観を解きほぐしたり、現状認識をかえるために使用されても良さそうであるが。エンパワメントやストレングスとの関連性のあるアプローチ法である。

 この論文は、ナラティブとは何かを広範囲に論じている。医療、福祉のみならず、ナラティブは人類学、民俗学などにも使用されていることやその研究方法も違いなどにも触れている。しかし、この論文の主旨は、そもそも〈物語る〉とはどういうことなのかを論究している。たしかに、物語ることは大事だとナラティブは言うけれど、そもそも物語るとは何か、あるいは物語ることはどういう作用があるのかである。

 心と体の相互作用を軸に、非常にユニークな論を展開している。なぜ人は正座をするのか。あるいは本当に正しい正座をすることはどういった効果があるのか。あるいは、あくびとは何か。直感とは何か。そして、物語に人は生きることを忘れてしまったこととは何か。

 例えも言葉の使い方も非常に易しく、また適時写真や図説も入っており、論者がすごく縦横無尽に思索の幅を広げて楽しく書いたんじゃないかと思わせる内容で、楽しかった。

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