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2012年の介護保険制度改正に向けての論点

吉田初恵(2011)「2012年の介護保険制度改正に向けての論点」『関西福祉科学大学紀要』15, 27-36

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008754738

PDFあり

 要約に全て書かれており、端的に今回の改正のガイドラインを紹介した内容となっている。取り立てて斬新な分析もないし、論旨の核となるような思想も見たらない。それだけに今回の改正とは何かについて分かりやすく知ることのできる内容となっている。

 ただ制度設計の核となるのは、「ペイ・アズ・ユーゴーの原則」を採用していることについて割と丁寧に説明している。また今回の改正は地域包括ケアシステムにあることも詳しく説明している。地域包括ケアシステムはこの業界にいれば詳しく説明される箇所なので、省略するが、 ペイ・アズ・ユーゴーの原則はあまり聞き慣れない言葉なので若干の引用をしておこうと思う。

 ペイ・アズ・ユーゴーの原則とは、歳出増または歳出減を伴う施策の新たな導入・拡充を行う際に、原則として恒久的財源を確保するものとする考え方で、その財源(負担)を持って来なければ、サービスの拡充を認めないという原則である。新しいサービスを創設するときは、保険料を上げるか、消費税を上げるか、利用者負担をあげるかなどして財源を確保しなければならないと言うことである。

 これからはパイを大きくする場合は、根拠となる財源の議論も含めてどうするのかを具体的にしないと新しいサービスはしませんよと言うことであろう。思えば、宅老所が小規模多機能に吸収されたり、NPOが始めたニッチなサービスを保険としてどんどんと組み込んできたし、おまけに介護職員の給料のまかないまで保険に組み込んできた。そもそもの「保険」としてはもはや体を為していないという議論もある。今回の処遇改善交付金を利用者の負担としたのは、まさにペイ・アズ・ユーゴーの原則の応用技であり、試験的なものであると思う。

 いずれにしろ今回の改正について10ページ足らずでおおよその中身が分かるので、この業界にいて介護保険って分からないと思う人にもちょうど良い内容かと思う。分かりやすい高齢者の現状とかも載っているので、勉強中の人にもお勧めかな。相談職やケアマネ、地域包括の職員ならこの程度では物足りないかもしれないけれど…

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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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