香山リカ『プチナショナリズム症候群-若者達のニッポン主義-』

野崎孝弘(2008)「香山リカ『プチナショナリズム症候群-若者達のニッポン主義-』」『貿易風 : 中部大学国際関係学部論集』3, 304-308

http://ci.nii.ac.jp/naid/110007025372

PDFあり

 無邪気に「ニッポン大好き」とはしゃぐ若者に対して、香山リカがその心情が『日本は特別な国である』という思い込みと深く関わっていること。このことについて、引用が長くなるが、

日本代表チームを応援するためだけに「日の丸」を振る新しい世代の感覚が、『これは戦争だ、日本の誇りを賭けてがんばれ』と「日の丸」を振る旧世代の感覚と統合、回収され、フランスばりのラディカルなナショナリズムが姿を見せる前に、何らかの手を打たねばならないと。この回収が自然に進みつつあることに、政治権力の獲得や権力基盤の強化をねらう政治勢力によって人為的になされる可能性があることに、彼女は危機感を抱いている。

 とされている。簡単に言って、右に偏ることに対して、危機感が無くまた言論人も警鐘を鳴らすことがあまり無いことを指摘している内容である。また、この熱狂的で歴史性がないナショナリズムは、目の前の現実、格差、生活困難性などを一瞬忘れさせるが現実に目がいった場合、このナショナリズムは排他的なものとなって顕れること。その排他性は、エリート階層でも底辺階層でも顕れ、その溝は深まっていくことを明らかにしている。その後、こうしたプチナショナリズムを廃して、デモクラシーとしてどう対抗していくかを簡単に説明している。

 ナショナリズムは必要であると思う。しかし、このナショナリズムが時に、他の国や人種を排他的にさせる作用がある危険性を大きく含んでいることは歴史が証明している。必要なのは、これまでの歴史とセットになったナショナリズムであると思う。ところで、香山リカの論文のほとんどは医中誌だけれども、いくつかはPDFで読むことができる。

 正直、香山リカはあんまり好きじゃないんだけれども、まぁ、サブカル的には暇つぶしになるといえる。

 PDF:香山リカで検索

http://ci.nii.ac.jp/search?q=%E9%A6%99%E5%B1%B1%E3%83%AA%E3%82%AB&range=2&count=20&sortorder=1&type=0

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