介護保険の10年

佐藤卓利(2010)「介護保険の10年」『立命館經濟學』 59(3), 281-292

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008438926

PDFあり

 題名の通り、介護保険ができて10年。その歴史と概要について非常に分かりやすく書いている。介護業界にいると、ケアマネとか相談業務など実際に保険業務に関わっている人以外は案外、制度のことに無頓着だったりする。またケアマネでも、在宅と施設ケアマネでは視点も違い、通所の相談員は通所のことは詳しいが、ヘルパーの点数とか加算とか運用とか分からなかったりする。端的に、各論は強いが、総論が弱いと言うことだろうか。また介護保険制度ができてからこの業界に入ってきた人ってかなりの割合になるかと思う。その意味で、その前制度、措置制度って何?と思っている人って結構いるかと思う。

 ところで、「分かりやすい介護保険制度」とかだと、まるまる一冊読んだりしないといけない場合もある。この論文は実質11ページ。措置時代から介護保険に変わったこと。その後の事業の展開と、コムスン問題や倒産、そして今後について無駄肉無く素描している。中には、コムスン問題って何?って思っている人もいるかもしれない。

 私も実は介護業界に入ってまだ2年目。それまで障害者分野に長くいたし、どちらかといえば介護とか高齢者は苦手と勝手に思って、この業界に入ってあまり高齢者関連の論文とか読んでいなかった。この論文は、そういう意味で基本的なことをしっかりと押さえてあるので、下手な解説本よりもずっと理解できる内容となっている。ちなみに職場の介護員の友人に読んでもらったら面白かったとのこと。

 ぜひオススメの内容である。

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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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