子どもの豊かな育ちと就学前教育

原子純(2011)「子どもの豊かな育ちと就学前教育」『共栄学園短期大学研究紀要』27, 145-165, 2011

http://ci.nii.ac.jp/naid/110008426924

PDFあり

 副題は、小学校教育との連続性を視点として、となっている。

 最新の幼稚園教育要領や保育所指針に目配せをしながら、いま就学前教育ではどのように子どもに教育をすればよいのかを論じている。問題意識として、就学前教育は大きく変わってきているが、小学校教育の指針とか方針があまり変わっていない事のギャップがいま問題になっているとする。

 中でも「小1問題」という言葉があるそうで、学級崩壊とか子どもが上手く順応しないとか、主体性を持って取り組まないと行った授業運営の困難さがあるとされている。論者は、それは少子化によって集団で遊ぶとか自然体験が不足しがちであり、自己の欲求と他者の気持ちを推し量りながら折り合いをつける体験の不足であると指摘している。その上で、この小1問題は

学級崩壊と言うよりも、集団としてまとまらない状態、集団を意識できない未成熟な状態といえる。子ども同士で学び会う経験が不足する中で、小学校に入学すると35人近い子供たちが一つの教室で学習するのである。様々な問題が起こっても当然であり、小学校と幼稚園・保育所が連携し、集団の中で人間関係を学ぶ経験や人の気持ちを推し量る経験を重視し取り組んでいく必要がある。

 と指摘している。その後は、ここ最近の幼稚園と保育所の一元化の議論など行政の流れとか教育スタイルについての概説をしながら、小学校と就学前教育のあるべき論、そして核になる、遊びをめぐる教師側の眼差しと望ましい取り組み方について提言している。

 読みやすく、またここ最近の動きを知る上では良くまとまった内容である。

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