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認知症高齢者の帰宅要求に関する介護者の思い

平石淑恵・長野恵子(2008)「認知症高齢者の帰宅要求に関する介護者の思い」『西九州大学健康福祉学部紀要』38, 45-54

http://ci.nii.ac.jp/naid/110006993752

PDFあり

 修士論文の一部をまとめたものとなっている。内容としては、3人の認知症高齢者にたいし、9名の介護員が介助しているなかでどの様に相手を思っているのかを分類したもの。調査方法は、予備調査を経て、半構造化面接でまとめている。

 介護者の思いをめぐる視点は5つあり、

  1. その認知症高齢者の世界に付き合いながら思いを抱く→相手のファンタジーに付き合い肯定も否定もしないこと。
  2. 現実の世界で思いを抱く→認知症であることを意識し、記憶の保持の程度などを勘案してつきあう。
  3. 自分に置き換えて思いを抱く→入所している状況などを自分に置き換えて相手を推測する。
  4. 相手の気持ちに立って思いを抱く→相手の寂しいとか不安などを推測して関わる。
  5. 自分の気持ちを抱く→相手との関わりでいらだちや困惑を抱く。

 その後、逐語録から数量化して、一番は5の自分の気持ちを表出していることが多いことが分かっている。その後、自分の気持ちと相手の気持ちに断った思いが表れるタイプ、自分の気持ちが強く表れるタイプ、現実の世界で思いを抱く気持ちが強いタイプ、5つの視点が偏在せずに現れるタイプに分類している。ともにタイプ別に図表化しており非常に分かりやすい内容となっている。なかでも相手の気持ちに立って思いを描くことは認知症と言うよりも一人の人間として捉えようとする共感的な姿勢であり重要視するべきである。いずれにしろ、この5つの視点で多面的に現実を見ることで自分自身の立ち位置を客観的に見ることが出来るとする考察をしている。

 この論文で取り扱っている5つの視点で現実を分析する視点は良く、まとめ方次第では例えば場面構成法の応用として使えるのではないかと思われる。


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救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

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