精神障害者「退院促進・地域移行」政策についての考察 : 精神衛生法下の「社会復帰」をめぐる議論を参照しながら

精神障害者「退院促進・地域移行」政策についての考察 : 精神衛生法下の「社会復帰」をめぐる議論を参照しながら
PDFあり

福祉の欺瞞,精神医療の怠惰を暴くかなりスパイシーな内容.
地域移行とか密着支援とか受け皿としてどうなのか.特に就労を目指すのに最低賃金にも満たない給料しか渡せない状況はどう取り繕ってもおかしい.就労できない人として精神障害者はどこまでも位置づけられていることをきっぱりと,すっきりと断じている内容.
最後の方で,PSWが社会変革を担うものであるならば,労働組合との連携とかソーシャルアクションを起こすべきではないかとする主張に全面的に賛成する.
ただ悲しいことにPSWも医療に囲われて,そこから給料もらっているんだよね…ということは,精神医療が患者の置かれている社会的状況に異議申立をしていかないといけない.実は精神医療学会の中でも,そうした欺瞞を暴き,痛烈に批判している人たちはいる.しかし,それが何もなっていないという意味で,怠惰であるとも言える.
読みやすい内容で,身もふたもないけれど一読の価値はかなりあると思う.

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2017年9月雑学系論文リスト

映画版『バトルランナー』における男らしさと見ること
祭礼を飾るもの—1つ物の成立と伝播
遺影と死者の人格 : 葬儀写真集における肖像写真の扱いを通して
火車の誕生
目のフォークロア : 兆・応・禁・呪のひとつの基盤
宮崎駿論 : 『風の谷のナウシカ』から『崖の上のポニョ』へ
ドイツ・ナショナリズムの文脈あるいは汎欧州的・超欧州的文脈における「眠り姫」伝承 (後編)
子ども番組研究 : ロボットアニメにおける対立構造の変容
テレビゲーム機の変遷-ファミコン、スーパーファミコン、プレステ、プレステ2、Wiiまで-
ライトノベルにおける男性主要登場人物と女性主要登場人物のパーソナリティの組み合わせの検討
喚起されるホモソーシャリティ : アダルトビデオの行為論、あるいは精液の社会的エージェンシー
日本におけるレズビアン・ミニコミ誌の言説分析 : 1970年代から1980年代前半まで

2017年9月福祉論文リスト

CiNii 論文 - 準市場の優劣論と介護保険制度導入後の結果(1)
CiNii 論文 - 障害者自立支援法移行期における就労支援事業所の機能選択 : 就労継続支援B型事業所の事例研究から
CiNii 論文 - 介護福祉の概念に関する研究:介護過程に焦点をあてて
CiNii 論文 - 生活保護受給者の生活現実と就労者自立支援プログラム : 事例研究:58歳・男性Aさん
CiNii 論文 - 嵐の前の静けさ:介護保険を巡って
CiNii 論文 - 社会福祉士実習におけるケアワークのあり方と利用者理解についての課題
CiNii 論文 - 高齢者による市民活動の展開過程に関する研究 : 大都市における「買い物弱者」問題の解決を目指したアクション・リサーチ
CiNii 論文 - 児童養護施設入所児童における精神疾患の親から受ける心理的影響 : 自由記述データの分析を通して
CiNii 論文 - 親の離婚を経験した子どもが立ち直るまでのプロセス
CiNii 論文 - 家族が抱える高齢者介護の負担:現状と課題
CiNii 論文 - ソーシャルワーカーがソーシャルワーク機能を担ってきた者に向けるべき視座
CiNii 論文 - 障害者福祉施設における虐待の防止と障害者の意思決定支援について(1)

ホームレス自立支援策の生活困窮者自立支援制度への「統合」

ホームレス自立支援策の生活困窮者自立支援制度への「統合」

PDFあり

論者(中山徹)

ホームレス特別措置法から生活困窮者自立支援法へ移行することで,ホームレス緊急一時宿泊事業,自立支援センター支援策は,生活困窮者自立支援法の任意事業である一時生活支援事業に統合された.この一時生活支援事業の問題点について論じている.
端的には考察でまとめられているが,一番は,本人への金銭給付が織り込まれておらず,支援機関が短いといった支援事業の内容が問題だと思う.一時生活支援事業と就労支援をセットで組み込まないと就職のための交通費の捻出もままならない.あと根本的にホームレスに関する調査の規定が織り込まれておらず,概数調査をしないことでまた貧困が見えなくなる可能性がある.
分かり易く論じており,よい内容となっている.

生活困窮者自立支援制度とソーシャルワークのあり方に関する一考察

生活困窮者自立支援制度とソーシャルワークのあり方に関する一考察

PDFあり

論者(中戸純子)

生活困窮者自立支援法の成立過程とか概要についてまとめている.問題点として他の論文でも指摘しているように,生活保護受給者を抑制する,あるいは脱却させるという新たな抑制策になる危険性.社会福祉士などの専門職が必要なはずなのに,そうではなく研修とかで簡単になることができること.この制度が横断的で,ワンストップかつ伴走型であるためにはソーシャルワークとして真に機能する必要があるという論点.
コンパクトにまとまっている.

プロフィール

kuma

Author:kuma
救護施設→知的障害児施設→通所介護施設(高齢者)と15年以上。これからも思考と体力で、働いていきます。

自分のサイトもあります。
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